Slash(Guns N’ Roses)

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スラッシュの使用ギターを、本人のインタビューとメーカー公式資料から解説。Kris Derrig製レスポール・レプリカ、Jessica、ゴールドトップ、モッキンバードなど、録音とライブでの使用例を紹介します。
スラッシュ(Slash)は、ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストとして知られ、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーやソロ活動でも活躍してきたミュージシャン。ブルースを土台にしたフレージング、伸びやかなチョーキング、歌を引き立てるメロディアスなソロが持ち味です。使用ギターの代名詞はレスポールですが、録音の中心となったのはKris Derrig製のレプリカで、ライブではJessicaと呼ぶギブソン製実機などを使い分けています。さらに、モッキンバードやダブルネックも、演奏に必要な機能に応じて導入してきました。本記事では、本人のインタビューとメーカー資料を照合し、名盤の録音やステージを支えた主要ギター6本の特徴とエピソードを紹介します。

スラッシュの使用ギターを知るうえでは、録音とライブ、MVを分けて見ることが大切です。名盤の録音を支えたDerrig製レプリカ、ツアーの主力となったJessica、長いソロで愛用したゴールドトップには、それぞれ異なる役割があります。さらに、アーミングにはモッキンバード、12弦と6弦の切り替えにはEDS-1275を選んできました。レスポールを中心に据えながら、演奏に必要な機能や個体ごとの響きを使い分ける姿勢が、その機材遍歴に表れています。

Slash(Guns N’ Roses)の使用機材

Guitar

Kris Derrig製 1959 Les Paul Standard Replica

正式名称:Kris Derrig製 1959 Les Paul Standard Replica
使用時期:『Appetite for Destruction』(1987年)の録音から使用。以降も主要な録音用ギターとして愛用
特徴:ギター製作者Kris Derrigが1959年型レスポールを再現した楽器。ギブソン工場製のヴィンテージ実機とは異なる。Seymour DuncanのAlnico IIハムバッカーを搭載し、スラッシュの初期サウンドを形作った一本として知られる
エピソード:『Appetite for Destruction』のギターを重ね録りする直前、手元の楽器では望む音が得られずにいたスラッシュへ、マネージャーのAlan Nivenが持ち込んだという。本人は、このギターが求めていた音に合ったと説明している。初期にはツアーにも持ち出したが、消耗を避けるためにライブの主力を別のレスポールへ移し、録音で使い続けるようになった

Gibson Les Paul Standard “Jessica”(1987年製)

正式名称:Gibson Les Paul Standard “Jessica”(1987年製)
使用時期:1988年からライブの主要ギターとして使用。ガンズ・アンド・ローゼズやヴェルヴェット・リヴォルヴァーの活動で愛用
特徴:3ピースのメイプルトップが特徴的なレスポール・スタンダード。Jessicaは本人所有の実機に付けられた名前であり、2024年発売のSlash “Jessica” Les Paul Standardは、この愛器を基にした市販シグネチャーモデルにあたる
エピソード:Derrig製レプリカを激しいツアーで消耗させないために導入した、ギブソン製レスポールの一本。スラッシュは、JessicaとStephanieという2本を別々のツアー機材に組み込み、地域に応じて使い分けていると説明している。録音で頼るDerrigに対し、Jessicaは長年のステージを支えてきた実戦的な愛器である

Gibson Les Paul Standard Goldtop(本人が1991年製と説明した実機)

正式名称:Gibson Les Paul Standard Goldtop
使用時期:1990年代前半のUse Your Illusionツアーで使用
特徴:ゴールドトップ仕上げのレスポール。スラッシュは2008年のインタビューで、1991年のGoldtopと説明している。本人が温かく丸みのあるリード音を評価した個体で、後年の復刻モデルやVictoriaという市販モデルとは区別される
エピソード:「November Rain」「Estranged」「Sweet Child O’ Mine」など、長く音を伸ばすソロを含む曲でライブに使用したという。スラッシュは、この個体ではトーンを絞って滑らかなリード音を作っていたと説明。1998年に自身のスタジオから盗まれた後、同じ方向性のギターを再び得るため、ギブソンへ再現を依頼したと語っている

B.C. Rich Mockingbird(Red/Floyd Rose搭載実機)

正式名称:B.C. Rich Mockingbird(Red/Floyd Rose搭載実機)
使用時期:1991年の「You Could Be Mine」MVおよび同時期のライブで使用
特徴:赤いボディと非対称の輪郭を持つモッキンバード。Floyd Roseトレモロを備え、固定式ブリッジのレスポールとは異なるアーミングに対応する。本人の実機について、今回確認した資料では製造年と詳細型番を確定できない
エピソード:スラッシュは1992年のインタビューで、ロサンゼルスのクラブCathouseで出会った人物から購入し、「You Could Be Mine」のMVに使ったと説明している。若い頃にも別のモッキンバードを所有していたが、そちらは手放して戻らなかったという。初期に所有した個体と、赤いMV使用個体は別の楽器である

Gibson EDS-1275(1966年製/Black)

正式名称:Gibson EDS-1275(1966年製/Black)
使用時期:1990年に購入。Use Your Illusionツアーなどの「Knockin’ on Heaven’s Door」で使用
特徴:12弦と6弦のネックを備えたダブルネックギター。12弦の重なりのある伴奏と、6弦によるリード演奏を一本で切り替えられる。2019年発売のSlash 1966 EDS-1275 Doubleneckは、この黒い実機を再現したモデルである
エピソード:Gibsonの公式発表によると、インディアナ州の小さな楽器店で購入し、ほどなく実戦投入したという。「Knockin’ on Heaven’s Door」のライブでは、12弦による伴奏と6弦のソロを切り替えるために使用。印象的な外観に加え、曲中で必要になる二つの役割を担えることが導入の理由になっている

Gibson Les Paul Standard(1959年製/元Joe Perry所有)

正式名称:Gibson Les Paul Standard(1959年製/元Joe Perry所有)
使用時期:1988年の初来日ツアーの頃に購入話が進み、1992年公開の「November Rain」MVで使用
特徴:エアロスミスのJoe Perryがかつて所有していた、ダークバースト系の1959年製レスポール・スタンダード。Derrig製レプリカとは異なるギブソン製ヴィンテージ実機で、後年に発売されたJoe Perryモデルとも区別される
エピソード:日本滞在中、ロサンゼルスの事務所から購入の打診が届き、帰国後に写真を見て、憧れていたJoe Perryのギターだと確認したという。スラッシュはこの個体を「November Rain」のMVで使用した後、最終的にJoe本人へ返している。映像での使用は確認できるが、そのまま同曲の録音機材と断定することはできない

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